感染症WS


【日時】 平成17年9月11日(日)

【場所】 岡山大学医学部キャンパス内講義棟

【目的】 プライマリ・ケアにおける感染症のアプローチについて考える

【参加者】
[講師]
 鈴木 富雄 先生(名古屋大学総合診療部)

 医師
 西田 裕子(ももたろう泉田クリニック)
 芝 直基(岡山大学付属病院研修医)
 宮沢 麻子(筑波大学付属病院研修医)

 学生
 ・6回生
 石橋 直樹(岡山大)
 大貝 千草(岡山大)
 大木乃理子(岡山大)
 中山 明子(岡山大)
 林 幹雄(川崎医科大)
 松坂 英樹(川崎医科大)
 山崎 晃裕(川崎医科大)
 ・5回生
 井上 英美(岡山大)
 権 淳美(岡山大)
 西連寺智子(岡山大)
 浜中 智子(岡山大)
 藤田 浩二(岡山大)
 松本 享(岡山大)
 加藤 智浩(京都府立医科大)
 ・4回生
 野中 慶佑(岡山大)
 中野 嘉子(大阪大)
 浜上 知宏(愛媛大)
 
【スケジュール】

 8:45-9:00 アイスブレーキング
 9:00-12:30 感染症へのアプローチ
         ・感染症の症状(どんなときに感染症を疑うか?)
         ・三大感染症(急性上気道炎、急性胃腸炎、泌尿器感染症)
           (common&見逃してはいけないものから考えよう)
         ・問診・身体所見 (目の前の患者さんから大事な情報を!)
 12:30−13:30 LUNCH 
 13:30-15:30 グラム染色&起炎菌分類&使用する抗生剤
          (大事なポイントを押さえよう!)
 15:30-16:00 鈴木先生がSPの医療面接 (結構わがままな患者さん?!)
 16:00-18:00 実習室でグラム染色 (実はとてもはまる)
 18:00−18:30 まとめ (みんなの感想など)

【感想】(ML上に流れた感想より) 

『ずっとパワフルに動かれている鈴木先生のエネルギッシュさには頭が下がりました。
講義もただのスライド講義ではなく、受ける側を巻き込んでのスタイルにとても惹きき付けられました。
鈴木先生、予告通りの最高のパフォーマンスでした。本当にありがとうございました。』
『感染症って思ってるほど難しくなく、思ってるほど面倒じゃない。ちゃんとやれば、患者さんがよくなるんだと思い、早く医師になって感染症を見たいと思えるようになりました。』
『今までも感染症に興味はあったのですが、どうも難しいイメージがあり、卒試の勉強が、という言い訳や、遊びたい!などの欲望が邪魔して国試に必要なこと以上に踏み込まないでいました。が、今日のワークショップで苦手意識が緩和され、そこに踏み込む勇気をもらえました。
というより、勉強するのも必要ですが、今はとても実践したい気持ちでいっぱいになっています。はやる気持ちを抑えながら、今日覚えた問診から鑑別までの基本的な流れを自分の幹にしていきたいと思います。最強のエビデンストともに…』
『鈴木先生のお話は身を乗り出して聞いてしまうくらい大変面白く、常に自分でも考えたり発言したりしながら進んで行くために、今月に入ってから相当な寝不足状態に陥っていた私でも一日全く眠くなる暇がありませんでした。』

『感染症はどんな科に行っても必要、だから『簡単かつ最強のエビデンス』を持ったグラム染色をちゃっちゃと自分でやって、患者さんにあった治療を行えるようになりたい」と実感しました。』

『本当に全体の流れが工夫されていたので、基礎知識からグラム染色の実習まで、一連の流れを自然と勉強することができました。ひとつひとつがとても素晴らしかったです。』

『グラム陽性菌に一番効くのはペニシリン系、第3世代セフェムはあまり強くないなど、よりこう性質の使い方をグラム染色とくっつけて聞いたのは初めてでした。また、カルバペネムについてはあまり知らなかったのですが、どんな細菌にも効くという一回聞くとものすごくよく聞こえますが、よく考えないといけない、聞いた感覚にダマされてはいけないと深く感じました。』

『発熱
→感染症か?
  →フォーカスは?
    →ウイルス?細菌?
      →重症度判定
        →確定診断
          →抗生剤の選択

この当たり前なのに、よくわかっていなかった一連の流れがとても上手く理解できました。』
『グラム染色の講義と実習では、血培と同じくらいかそれ以上に、喀痰などの検体をすぐ染めて鏡検することの大切さが実感できました。
何と言っても貪食像を見つけることで起炎菌がわかるというクリアーさは他の検査には無い点で、先生が「最強のエビデンス」と強調されていたのが納得できました。』

『今回、やってみて思ったのは、意外に簡単、だけ
ど好中球が見つからないこともある、1000倍にしないと細菌は
見えない!と言うことでした。』

『学校の実習でグラム染色を学んだものの、いつ使うのだろう?と疑問に思っていたことも、解決されました。
グラム染色は薬の決定や確定診断の「最強のエビデンス」となる。最新機器を使わなくても、安全で確実、そして安く診断ができるグラム染色の重要性に驚きました。
実際に患者さんの検体を使ってできたのも、目的を持って楽しく実習できたので、大成功だったと思います。』
『私の中で、今日一番印象に残った言葉は
「アリを殺すのに原爆はいらない!だけどゾウは吹き矢で殺せない!」でした。
感染症は抗生剤使えば治るんだからいいじゃない、と楽観的になりがちだと思いますが、やっぱり「相手をよく見ることが大事」であり、必要以上の武器を使うと菌だけでなく、身体を壊してしまうこともあれば、強い抗生剤を使うべくところで弱いものを使うと、菌でさえやっつけることが出来ない、というメッセージが含まれています。
やはり感染症の治療をするに当たって、まず起炎菌を知ることは非常に大事であり、それを知る大事な手がかりとなるのがグラム染色!ということがとてもしっくりきました。
鈴木先生、今日だけではなく、事前準備が本当に大変だったと思います。貴重な感染症体験を本当にありがとうございました!』