岡山道場 with 池田先生

【日時】 平成16年9月4日(土) 14:00〜
            9月5日(日) 9:00〜

【場所】 岡山大学医学部管理棟5階  第5カンファレンスルーム

【参加者】
池田正行 先生(医薬品医療機器総合機構)
江崎先生(川崎医大総合臨床医学教室教授)
片岡 廉 先生(片岡内科医院)
佐藤涼介 先生(佐藤医院)
中泉博幹 先生(川崎医大総合臨床医学教室)
西田裕子 先生(ももたろう泉田クリニック)
安田英己 先生(安田内科医院)

高橋秀明 先生(岡大附属病院 研修医一年目)  

・SPさん
前田純子さん
坂田真砂子さん
平野さん

・学生(6年)
岩破将博 (岡山大)
芝 直基 (岡山大)
後藤隆司 (岡山大)
高橋徳幸 (岡山大)

・学生(5年)
一町澄宜 (広島大)
稲井良太 (岡山大)
牛田 宣 (信州大)
大木乃理子 (岡山大)
辻紗世  (大阪医大)
陶山くん (信州大)
中野由加里 (岡山大)
中山明子 (岡山大)
松坂英樹 (川崎医大)
広地さん (信州大)
山崎晃裕 (川崎医大)
ユキエ君 (信州大)
渡辺慶介 (信州大)
梁美鳳  (奈良県立医大)


【スケジュール】 
9月4日(土)
14:00〜 アイスブレイク
15:00〜 患者さんとのセッション【患者さんお二人】
17:30〜 池田先生&SPさんの面接セッション

19:30〜 池田先生を囲む会【割烹 塩梅】

※割烹 塩梅 岡山市東中央町2-14 TEL 086-234-9596

9月5日(日)
09:00〜 神経内科診察法
11:00〜 症候別ケーススタディ
12:30〜 昼休憩
13:10〜 学生から、「池田先生にこれだけは聞いておきたい!」

14:30頃 終了

【目標】
1.神経内科への苦手意識を少しでも解消する(明るく、楽しく、元気よく!)
2.池田先生の徹底解剖:病歴&身体所見のとりかた&「何を考えているか」を体感
3.効果的な病歴の聴取をすれば、身体診察はかなり省けることを実感する
4.新患の問診およびフィジカルから、どこまで診断と重症度の評価ができるか
  腕試し&そのフィードバック
5.SPさんと池田先生のセッションは、何が出てくるか、予測不可能を楽しむ
6.救急外来で役立つ、SAHと脳出血で必要な診察のミニマム
7.でもやっぱり神経内科的な身体診察の練習はしたいかなー?


【感想】 (高橋さんがML上に流されたものを引用しました。)
こんにちは、高橋徳幸です。


学生と患者さんとの医療面接「最近腹が出てきてなぁ(笑)


ギャラリーの先生方も笑
最近猛暑、台風、地震と自然の脅威にふれることが多いですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。しばらくメーリングリスト上を賑わせていた「第一回岡山道場(講師:池田正行先生)」が無事終わりましたので、幹事としてご報告させていただきます。

一言でこの会を表現しますと、池田先生のお人柄そのままに非常に「熱い」勉強会でした。おそらく僕の予想以上のものになるだろうと思っていましたが、全くその通り、予想以上のものでした。

あの会の素晴らしさを表現できる自信は全くありません。しかし、少しでも多くの人に伝えたい一心で、挑戦してみます。

まず参加者が、とても多彩なメンバーでした。
清輝橋グループの先生(片岡先生、佐藤先生、安田先生)をはじめTFC香川講習会で今回の勉強会のうわさを聞かれて、西田裕子先生がご参加くださいました。そしてなんと川崎医科大学総合診療部の中泉先生と江崎教授(!)も参加してくださいました。

参加学生ですが、これから神経内科のポリクリが始まる5年生を中心に、17名が集まりました。参加大学は、当初は岡大生のみかと思われていました。
しかし人が人を呼んで気がつけば川崎医科大学、広島大学、そして大阪医科大学と信州大学(5人も!)の皆さんという、文化圏、居住地域の全く違う学生が混ざり合うという会になりました。




学生による患者さんへの診察(指鼻指test)
また、忘れてはいけないのが岡山SP研究会の皆さんです。参加者兼特別ゲストというかたちで、医療面接のセッションにご協力いただきました。準備する側としては池田先生とSPの皆さんのセッションというのは前例がなく、実は不安は多かったのです。(池田先生は全く不安などない!とおっしゃっていましたが・・・。)実際は池田先生のおっしゃるとおり、事前の不安はどこへやら、最も印象深いセッションの一つのなりました。

内容ですが、9月4日(土)は、アイスブレイクと患者さん二人のセッション、そしてSPさん参加の医療面接、懇親会でした。アイスブレイクに「アイスはでるのか!?」という学生らしい疑問が噴出しながらの、他己紹介でのスタートでした。




池田先生による診察
患者さんとのセッションは、まず学生が問診、診察をさせていただき、その後に池田先生の問診、診察を拝見しました。池田先生の考えていることを披露して頂くことで、先生の頭のなかではだらだらと疾患の鑑別が行われるわけではなく、「決めうち(その人の疾患はこれだ、と特異度の高い所見を頼りにあらかじめ決めてしまうことと僕は思いました)」を効率的に使い、病歴と診察を行き来しながら診断に至っているということが分かりました。

医療面接のセッションは、OSCEで求められている医療面接形式で行いまいした。
しかしだからこそ、学生がOSCEを乗り切るための「マニュアル」化された面接と、実際の医療で求められる面接の違いを体感することができました。




「歩いてみてもらえますか・・・」
医療面接では、学生は「聞く順番、(主訴、病歴、家族歴・・・)」とマニュアルを頭に思い浮かべます。しかし池田先生はまず患者さんの最も重要な訴えは何かを見極めておられました。それは医学的なことに限らず、時に患者さんの不安を取り除くことでもありました。模擬患者のモデルに「既往の疾患の再発を疑い、それに付随して起こりうる困難に対して不安が非常に強い患者さん」がおられました。

このような方に対し、池田先生は「これは重篤な疾患ではなさそうだ」と感じたら初対面の一番最初に「治ります!」と言い切っておられました。患者さんのもろもろの不安を取り除くことは、今後の治療と信頼関係を成立させていくために診断以上に重要な課題であり、そこで「治ります」と言い切れるかどうかが「医者としての勝負だ」ということでした。


医師と患者というよりも、まさに人対人の息詰まる人間ドラマが繰り広げられており、参加者一同固唾を呑んでセッションの行方を見守っていました。

9月5日(日)は、神経内科診察法とスライドセッションでした。



SP坂田さんVS池田先生!
神経内科診察法では、ポリクリ対策として、12神経の診察法と学生の「腱反射恐怖症」を取り除くべく、学生の有志に被検者をお願いしての診察講習会を行いました。「僕はとても腱反射が出やすいですよ」と川崎医科大学の山崎君が被検者に立候補くださったおかげで、多くの5年生が検者として腱反射を出せる喜びを実感したようでした。

最後にスライドセッションにて、それまでに池田先生がしきりにおっしゃっていた
「ハンマーなんていらないんだよ!!!」という言葉の意味を学びました。検査などよりも、患者さんの病歴を伺ったほうがよっぽど感度が高く、有効な情報が得られるということも、学生には新鮮な驚きでした。


とこのように、書き出したら止まらないぐらい、たくさんのことを学ぶことができました。色々な局面が、色々な形で、学生一人ひとりの心に印象づけられたことと思います。



全体写真
最後になりますが、講師の池田先生をはじめご参加くださった先生方、岡山SP研究会の皆さん、学生の方々、遠方より参加の学生の方、お疲れさまでした。ありがとうございました。黒子役に徹してくださった岡大5年生の皆さん、ありがとうございました。そして、陰ながら応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

今後も学生主体のこのような勉強会がもっともっと開催されることを祈って、
お礼とご報告のメールを締めくくります。

それでは、失礼します。

高橋徳幸 (岡山大学6年生)