松下先生による
『行動科学ワークショップ in 奈義』
【日時】 平成17年7月16日(土),17日(日)
【場所】 奈義町菩提寺研修センター
【目的】 患者さんとのコミュニケーションについて学ぶ
【参加者】
[講師]
松下 明 先生(奈義ファミリークリニック)
[SPさん]
坂田真砂子さん
西谷りえ子 さん
[学生]
・5回生
権 淳美(岡山大)
西蓮寺智子(岡山大)
日笠友起子(岡山大)
藤田浩二(岡山大)
松本 享(岡山大)
三村朋子(岡山大)
山田 明(岡山大)
・4回生
尾上あさひ(岡山大)
多久和紘志(岡山大)
田辺裕紀子(岡山大)
野中慶佑(岡山大)
丸石ミホ(岡山大)
具体的な流れに関してはこちらへ(松本さんの報告より)
【感想】(ML上に流れた感想より)
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一番の感想は、ほんとに何でも診るんだな、ということです。
この日お会いした患者さんは、脊髄系の異常、筋肉痛、外傷の治療、熱中症、
うつ病などがあったのを覚えています。
松下先生がおっしゃっていましたが、自分が診る範囲を決めておいて
「治療をここでやるか、専門病院に紹介するか」を見極める力が
とても大事なんだと実感しました。
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朝から夕方まで、みっちりと一つの症例を使ってWSを受けました。
僕は1月にも経験していたのでロールプレイも少しはうまくできるかと
思っていましたが、そんな考えは甘かったです。
医療面接のロールプレイにはずいぶん慣れてきていましたが、
反省する点がありました。
「以前も出来なかったこと(自信度−重要度モデル)」と、「以前は出来ていたことなのに
今では出来ていないこと」を見直すことができました。
前者は医療面接をやっている最中に切り出すのが難しい、と
1月のWSで思い、今回もそう思いました。
オシア定例会の医療面接では練習していないことだし、
忘れている内容でした。
後者は、主に「共感すること」です。
以前は患者役の訴えや困っていることをしっかり聞いたうえで
「それは大変でしたね」と共感できていたように思います。
「どうされましたか?」という質問以外に、
他に何を質問したらいいか、単に知らなかったからかも知れません。
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しかし、今回の医療面接では、SPさんの訴えや話をあまり深く聞かないうちに
共感の言葉を口に出して、心から共感できていないのでは?と
フィードバックで指摘していただきました。
医療面接の勉強をするうちに、「大変でしたね」と言えばいいと考えてしまって
いたのだと思います。また、4年生になってから臨床講義が始まったので
臨床的な知識がつくうちに、病歴についての質問の幅が少し増えたのも
原因かなと思いました。
【初心忘れるべからず】を胸に、共感とは一体どういうことなのか、を
考えていきたいです。
また、医療者側に怒りを持った患者さんに対してどう対処すればいいのかを
学んだロールプレイでは、すぐに謝ることよりも
まず患者さんの怒りがどこに向いているのか、話をよく
聞くこと、その後にどう対処するか考えることがすごく大事なんだとわかりました。
(でもすごい剣幕で怒られたら、つい驚いて謝ってしまいそうです…。
誰かが言っていましたが、日本人の悪い癖でしょうか。)
怒りを演じることが難しいのも、患者役をやってみて感じました。
今までとは違った、感情に対処する医療面接は勉強になることが多かったです。
今回のWSは、2回目だからわかること、を知れてとても自分のためになりました。
まだまだ奥が深い医療面接を、少しでも上達できるように
勉強していきます。
WSを企画してくださった松本さん、当直前にご指導くださった松下先生、
今までにないほど濃厚な医療面接を手伝ってくださった西谷さん、坂田さん
ありがとうございました。
この場をかりてお礼申し上げます。
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いろいろ反省があるのですが、その中から2点書きたいと思います。
『顔を見て臨機応変に!』
夫の介護とお店の切り盛り、そして自分自身の病気のことと、生活にいっぱいいっぱいになっている患者さん。そのひとから話を聞こうというときです。
よし、聞くことに徹しようとオープン型質問で
「どうでしょうか最近は?」
すると、
「どうってこともないですよ」
と。あれ?止まってしまった。
話したくなさそうな感じ。何かがおかしい・・・?
とは思ったものの、
「えっと、じゃあご自身のお身体のことですが−」
と進めてしまいました。
視覚的情報は非常に大切である!と松下先生おっしゃっていました。
あれ?と違和感を感じた瞬間に、軌道修正ができていなかったです。
このひとはいま理性的な話はできないかもしれないってことに気づけたら
「なんだかひどくお疲れのようですね。」
と感情面をサポートした言葉が出るのだと思います。
相手をしっかり見ていなかったことに深く反省しました。
聞くことに徹しようと思いながらも「身体のことを聞こうか、
ご主人のことを聞こうか、はたまた仕事の状況などを聞こうか」と
勝手に方針を作ってしまっていたのだと思います。
「ただ聴くこと」には相手をしっかり「見る」ことも含まれているのだと実感しました。
『感情面への対応』 今回は、アドバンスとして「怒り」への対応がありました。「怒り」というのは、 感情の中でもより明確に出るし、自分が責められていると感じる点があると思います。 それにどう対応するか? 原則:怒っている患者さんに対して、すぐに謝らない。 つまり、きちんと話しを聴いてもない内から「すみませんでした」「ごめんなさい」と言っても、 患者さんは「何も聴いてない内からなにを誤ってるんだ!」となるのです。 あるいは、「すみません、すみません」と何度も言われては、患者さんとしては言い切れてないけど、 「まあ、いいよ」みたいな感じで心にブレーキをかけられてしまうような感じがありました。 ぼくは、坂田さんと面接をやらせて頂いたのですが、いきなり謝ってしまいました。 その後でどういう状況だったのか聴けたらよかったのですが、それもできませんでした。 結局ただ時間が流れてしまった面接となったのが、本当に情けなかったです。 感情面に対応するには、その感情がどこからきたものなのかを患者さん自身から聞き、 イメージすることが必要で、わかっているつもりでしたが全くできていなかったので、 大きな反省を頂いたように思います。 最後に坂田さんが「この患者が怒りをぶつけられたのは、他の誰でもなく"あなた"だから なのだということを忘れないで欲しい。」ということをおっしゃっていました。 この気持ちさえ持っていれば、自分の目の前で感情を出してくれている相手に対しての 姿勢が変わってくるだろうと思いました。 |
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本当に僕自身にとって、とても大きな「気づき」をくれたWSでした。
松下先生、西谷さん、坂田さん、ありがとうございました。
またぜひ一緒に学ばせてください。